(更新:2024.9.11)
自作痛車(痛単車)制作計画から約1年半、ようやく完成しました。
今回、前回の反省を踏まえて2回目の痛車作成を行いました。
が、さらに問題が発覚。。。
そこで、制作にあたっての流れや注意点などについて触れていこうと思い記事にしました。
最初に矛盾したことを言いますが、全部自作はハードルがかなり高いです。デザイン、ラッピング作業含めて業者に依頼したほうが早いし失敗時の損失をカバーできます。
それでも自作でやってみたい!という熱のある方は、1つの制作例として参考になればと思います。
■費用:20,000円程度(ラッピングシート印刷代+諸経費)
※Adobe製品等の画像編集ソフトを含めると約5万といったところでしょうか。
おそらくデザイン~ラッピングまで全部外注しても同じくらいの費用になると思います。
ただ、何度も作ったり、オリジナルTシャツなどグッズ制作を考えている人はAdobe製品は買ったほうがいいと思います。
(Gimp等無料の高機能ペイントツールでもいいですが、クオリティを気にするのであればやはりAdobeかなぁ・・・)
デジタルイラストもやっているので、ペイントツールのClipStudio(通称:クリスタ)を愛用していますが、Photoshopの保存形式で作成できるので、痛車制作とかに使えます。
■時間:ラッピング作業約6時間
2回目でも思ったより手こずった・・・
0.事前準備
まず最初に注意点として、画像加工スキルと、それを行うためのガチめなペイントツールが必要です。
普通の人は、ここがハードル高いんです・・・友達に持ってる人がいたらデザインしてもらうか、ツールを貸してもらうかすると良いでしょう。
【ツール】
・AdobePhotoshop / Illustrater(データ入稿の際に、フォトショップかイラストレーターの保存形式で入稿する必要があるため)Ver.CS4
・SAI、GIMPなどのイラストツール(自分でイラストを描くときや、足りない絵を補足する際に使用)
・この程度の製作なら、ClipStudioPaintで十分AdobePhotoshopの代用ができます。安価でいい!!
・ペンタブ、液タブ(画像素材の加工修正の際に使用)
【工具】
(サイドカウルを外して作業をするため、そのための工具が必要)
・六角レンチセットなど(カウル外しに利用)
【必要物】
・高解像度の画像素材
・霧吹きボトル(ファブリーズとかの空いたボトル、なければ100均やホームセンターのガーデニングや清掃コーナーに売ってます)
・食器用洗剤(Joyとか何でもOK)
・ドライヤー(ヒートガンがあれば最高)
・マスキングテープ、または養生テープ(シートの一時固定の際に使用)
・デザインナイフ(切れ込みを入れる際に使用)
・ヘラ(ラッピングシート貼り付け時に使用)
・瞬間接着剤、または透明な屋外用ガムテープ(補強用)
・友達(1人以上)!!(1人じゃ無理)
1.デザイン
デザインしたことない人はここが一番ハードルが高いです。。。
ちなみに自分は、AdobePhotoshopのCS4というバージョンを使用しています。
ちなみに自分はClipStudioPaintを使用しています。
友達にデザイン上手い人いる!、絵を描いてる人がいる!、という人はご飯を奢ってデザイン加工を手伝ってもらいましょう。
以下ClipStudioPaintでの説明
①型取り
まずサイズとして、Ninja250R基準でですが、サイドカウルのみにラッピングする際、片側は約80cm×80cm四方のサイズになります。
※左右繋いで原寸160cm×80cm(+上下左右に2cmの切りしろ付)、解像度300dpiの素材にします。
他車種であれば、「カウルデコレーションシート」等と検索すれば、それっぽい画像がヒットすると思うので、それを上記サイズに引き伸ばして再度上から線を引いてあげれば型が取れると思います。(最終的に伸ばして貼るので、きっちりサイズが合ってなくても問題ありません。)
②画像素材の加工
①の上にレイヤーを重ねていき、画像素材を置いていきます。
画像素材の拡大に際して画像が荒くなる時は、もう一度画像の上からペンタブなどでリペイントすると荒さを消すことができます。
バイクのカウルカラーが黒だったので、背景を黒で染めています
レイヤーのオーバーレイやマスクなどを駆使すると、いい感じに作れると思います。
③入稿用レイヤー加工
デザインが決まったら、次の手順で入稿用にレイヤーを加工していきます。
・レイヤーを1つに統一(レイヤーをまとめる)
・レイヤーモードを「CYMK」にする(インクは色の三原色を使うので、光の三原色→色の三原色に変更する)
・レイヤーを「スマートオブジェクトに変更」(この状態で拡大縮小しても解像度が変更しない)
・画像を5~10%に縮小(そのままだとファイルが重すぎてアップロードできないため)
データは「GigaFile便」という一時保管領域に保存して、そのURLを入稿時に伝えるこのが多いです。
この状態で保存し、あとは印刷会社へデータ入稿するだけです。
2.印刷
色々考えた結果、ラッピングシート印刷会社に注文する方がお得と判断。
今回もラッピングシート印刷会社のTeamさんで注文しました。
痛車用の印刷実績、デザイン、ラッピング施工実績もあり、値段がお手頃(約8000円/m)だったので、こちらを選定しました。
実際、データ入稿時に入稿データのチェックも行って頂け、「ちょっと画像荒いですよ~」みたいな注意もあり、かなり親切でした。
また、こちらはデザインやラッピング施工もやってくれるので、自信がなければ全部まるっと任せて見積もりを取ってもらうといいかもしれません。
縮小して入稿する際は、「スマートオブジェクトに変更して縮小してあるので、一度原寸まで拡大してから原寸サイズで印刷をお願いします」と注意書きする必要があります。
(今回入稿データの際に伝え忘れたため、実際のデータよりも荒く印刷されてしまいました・・・)
(でも近づかなければワカラナイヨネ・・・?)
3.ラッピング
晴れた、風の少ない日に作業してください。
(作業途中に風が強くなり、砂が入り込んでしまった・・・)
今回は所謂「水貼り」という手法で作業しました。
①作業対象のカウルを外す
作業しやすいように外し、汚れを軽くふきます。
(脱脂も行うと尚良いです。)
Ninja250Rのカウル外しは下記記事参照ください。
最初カウル付けたまま作業したらめちゃくちゃ作業し辛かったので・・・
②作業道具準備
・ラッピングシート(切り込みや穴抜きは極力しない)
・デザインナイフ
・ドライヤー、またはヒートガン
・霧吹きボトル(中に食器用洗剤を数滴入れ、水を入れる)
③マスキングテープ等で位置決め仮止め
穴の位置などを入念にチェックし、後々「あれ、ミスった・・・」とならないように。
④ラッピング作業
まずは凹凸の多い場所から次の順序で作業します。(凹凸面は歪みが発生しやすく、終盤だと修正が効かなくなるため。歪みは熱で伸ばして貼り付けて消していく。)
・シートを少しずつはがす
・カウル、シートの糊面両方に、薄めた洗剤を霧吹きで吹きかける
・貼り付けたら、ヘラで力を入れてしっかり水抜きする
コツ1:中心から縁側へ水を追いやる感じでしっかり切ります。強めに!(写真1枚目)。
コツ2:へらの先端をタオル等で保護すると、シートの傷を減らせます(次の写真)
水が残っていると張り付きません。凹凸面や穴はドライヤーを当ててシートを伸ばしながら貼ります。縁の方の歪み、穴の部分は伸びきったところで切れ目を入れます。縁の部分は裏側へ巻き込むように貼ると見栄えがいいです(写真2枚目)。
・これを部位ごとに繰り返していきます
コツ3:水抜きはしっかりしないとはがれやすくなるので、しっかりと!
⑤乾燥
雨が当たらない場所で、半日(次の日まで)放置すれば乾燥して糊が張り付いているはずです。
⑥後処理
ちゃんとやれば要らない工程ですが、プロではないのでどうしても・・・
・水の抜け不足(ぽこっとした所)があればデザインナイフなどで刺して強制的に抜く
・縁が剥がれている所があれば、透明なガムテープや瞬間接着剤で補強する
4.さいごに・ポイント等
完成!
<1作品目>
このくらい引けば普通に痛車。
寄ると粗が目立つ・・・
なので、あまり近寄って見ないで欲しい・・・(笑)
<2作品目>
前よりもデザイン力は上がった・・・ような?
よくNinja250は痛車ベースにいいと言いますが、Ninja250Rは思ったより凹凸面が多くラッピング作業が難しかったのと、「くの字」に空いたエンジン廃熱穴の場所が悪くデザインが難しかったです。
サーキット用カウルは総じて凹凸面が少ないので、痛車に向いてるとよく聞きます。
以下2回作成して気づいたポイント。
①パーツを分けたほうがいい(←オススメ)
1枚で作るのはムリ!
凹凸や段差、穴を考慮すると、一般的なデカールのように細かく貼るパーツを分けてデザインしたほうが、より綺麗に見える可能性が高いです。(イメージはミニ四駆)
例↓
②レイヤ分割という手もある
背景レイヤー、キャラレイヤーで切り分け、オーバーラップして貼ったほうが、凹凸等へ対応しやすいです。
私のカウルが黒だったので、隙間ができても”影”みたいに見えるので気づきにくい。
例↓ これ、レイヤが分かれているのわかります?
③ネジ穴は貼った後に開ける
うまいことネジが隠れます。
(見かけたら温かい目で見てやってください。)
それではビバ、痛車ライフ!
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